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私はピアニストになるための登竜門としてのコンクールは否定しませんが、子どもをコンクールに参加させること対しては疑問を持っています。
それでも希望者がいれば応援し、指導しましょう、というスタイルです。
私から生徒さんに勧めることは絶対にありません。

コンクールは取り組み方を間違えると、音楽を学ぶ本来の目的とずれてしまうのです。

音楽は美しいもの、そして、楽しむもの。
音楽を学び、音楽に触れるのは、美しい情緒を育み、人生を豊かにするため。

コンクールに没頭し、入賞が目的化してしまうと、それらのことを忘れてしまう恐れがあるのです。
コンクール至上主義にならぬよう、特に指導者は気をつけるべきだと思います。
そして時には、自らの門下から入賞者を大量に出すことが目的の、指導者のエゴになります。


もちろん、コンクールという一つの目標に向かって努力する意義はあるでしょう。
その辺りの矛盾をどう解決するかが、コンクールに取り組む上での大きなテーマであると思います。
私としては、今現在行われている様々な子どものためのコンクールが、参加することを通して子どもたちの成長のためのものであってほしいと思っています。

ただ、コンクールの現状は、得るものよりも失うものの方が大きいような気がしてなりません。

コンクールに入賞するための演奏と人を感動させる演奏は、必ずしも一致しません。
20世紀を代表する大ピアニスト、ルービンシュタインやホロヴィッツらが、コンクール歴で語られることはありません。
魅力ある演奏とは、コンクール入賞歴や肩書きなどとは関係のない、もっと深いところにあるのです。

 

私はシンプルに、音楽の美しさ、素晴らしさを生徒の皆さんと共有したいと思うのみです。

 

ブログでもコンクールについて書いています。

よろしければご覧ください。

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