村田ピアノ教室
ここでは、
基音:ピアノを弾いた瞬間に立ち上がった音
倍音:そのあとに伸びてゆく音
と定義して話を進めます。
ピアノは音を出した瞬間から減衰がはじまる楽器ですから、基音だけを聴いてしまう傾向にあります。
ところが、美しく色彩豊かな音楽を奏でるには、倍音による効果が必要不可欠なのです。
ショパンのノクターンのようなフレーズの長い作品は、倍音が乏しいと減衰が早いので、音と音の間にに歪みが生じ、メロディーがレガートに聴こえません。
ドビュッシーなど豊かで多彩な音色が必要な作品は、倍音が少ないと色彩の乏しい、モノトーンの音楽のように聴こえてしまいます。
ピアノを美しく豊かで多彩に響かせる鍵は、倍音の量にあります。
屈筋で支えを作り、そこに腕の重さを乗せるだけで、倍音豊かな美しい響きが得られるのです。
逆に、日本で一般的に教えられている奏法で、伸筋を使って、鍵盤を力任せに押しつけたり叩いたりしても、倍音豊かな響きは得られません。
基音ばかりが目立ち、音がつぶれたり割れたり、魅力のないものになってしまうのです。
ピアノは基音以上に、音を出した後に伸びてゆく音、倍音が大切なのです。
倍音によって、ピアノという楽器の真の魅力が発揮されるのです。
レガートにも倍音が必要不可欠です。
倍音が豊かだと、ピアニシモが遠くまで届きます。
アンサンブルなど他の楽器と合わせた時も、倍音が多い方が美しくハーモニーするのです。
そして驚くことに倍音は、空気を動かして弦と共鳴させることで音色を変化させることができるのです。
音に関しては文章での表現では限界がありますので、無料体験レッスンを是非ともご利用ください。
ちなみに、基音と倍音の本来の意味を解説いたしますと・・・
たとえば、ピアノで「ド」の音を鳴らした場合、ドの波長の音のみならず、その等数倍、2倍、3倍、4倍、それ以上の波長の音が同時に鳴っています。(1オクターブ高くなれば、波長が2倍になります)
その等数倍の波長の音が、倍音です。
元の「ド」の音のことを、基音と言います。
基音「ド」の音と同時に鳴っている倍音の量が多いほど、美しく豊かに響くのです。