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私は、ロシアピアニズムこそがもっとも響きが美しく、難曲を弾きこなすのに合理的で、肉体への負担も少なく、理想的な奏法だと思っているのですが、日本のピアノ教育においてロシアピアニズムはマイナーであると言わざるを得ません。

ピアニスト、指導者を含め、1%にも満たない、という話を聞いたことがあります。

では、なぜそうなってしまったのでしょうか。

日本にピアノが本格的に入ってきはじめたのは明治時代だと思いますが、同時に指導者や指導法も入ってきました。

その指導法が、指を丸く、手首を固定して、鍵盤の底までしっかり弾く、といったもので、それが何の疑いもなく取り入れられ、現在に至ると考えられるのです。

これはドイツ系統で、ツェルニーらの伝統を汲んだピアノ奏法です。

もし最初にロシアピアニズムが伝わっていたら、日本のピアノ教育はまったく違ったものになっていたでしょう。

いわゆるドイツ系の奏法は、伸筋や関節を使う奏法ですが、伸筋も関節も鍛えることが困難なのです。

でも、先天的に伸筋や関節が強く、それを利用してピアノを弾ける人が存在するのです。

そういう限られた人がピアニストや指導者になり、それをそのまま門下生に伝え、それがさらにその門下に伝わり、どんどん裾野が広がっている、、、

というのが今の日本のピアノ界の現状だと思います。

それでも最近は、それとは逆の考え方のピアニスト、指導者も現れはじめているようですし、私自身もロシアピアニズムは日本の方から学びました。

日本のピアノ教育も良い方向へ向かっていることを信じて、私もそれに貢献できるよう、責任の一端を担えれば、と思っています。

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